なかなか梅雨もあけない、どんよりした日が続いてます

かれこれ私もブログをあけてました

7月10日当院で
スタッフ向け勉強会が開かれました。今回の薬は
「オノン」というとてもメジャーなお薬です。
大人の方には気管支喘息、アレルギー性鼻炎に効果があります。子どもは気管支喘息の予防・治療に何年も服用するケースが多く、喘息といえばこのお薬です

オノンはロイコトリエン受容体拮抗薬(抗アレルギー薬)です。
~ロイコトリエンとは~
私も久々に耳にした名称で、???だったので調べてみました。
ロイコ → ロイコサイト(白血球)
トリエン→ トリエン構造を持った脂肪酸代謝物
※ 白血球からできるトリエン構造を持った脂肪酸代謝物
↓
ロイコトリエンは気道の収縮、慢性の炎症、喘息症状の悪化に関与している重要な化学物質
↓このロイコトリエンが、気道の粘膜にある受容体に作用しないようにするのが「オノン」ということです

1~2週間で効果が現れます

副作用に、腹痛・胃部不快感・下痢・嘔吐(子ども)など消化器症状があります。これは、はっきりと原因が分かっていないようですが、薬の溶け方で少量の薬が胃に残ってしまうからではないかと言われてるそうです。この副作用が子どもでは割りとあるらしいです

大人はカプセル 子どもは粉末 1日2回の服用です
「アレルギー講演会」“ぜんそく”に負けない!
7月12日に白山地域子育て支援センターで、取手協同病院の太田先生の講演会がありました。 この講演は数年ごとに発行される「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2005」協和企画発行を受けて、これまでの治療方針が大きく変わったことを私たちに伝えてくれる内容でした。
うちの院長も「ステロイドが第1選択になった」と最近よく話すけれども、その原点がここにあったことを私もやっと知りました

講演会の話の中で、私が関心を持ったことや、初めて知ったことなどをかいつまんで書きます

喘息のメカニズムにIgEという物質があり、その物質の測定値で喘息の有無を調べていたが・・・ →
血清総IgEをかえさないアレルギーがある (逆にプラスでもアレルギーでない人がいる)
IgEは年齢とともに上昇するので、この値でアレルギーの経年的変化をみることはしないそう。あくまでも症状を優先してみるらしい。
このIgEとアレルゲンとの反応で、卵やハウスダストなどのアレルギー度を導いている
喘息患者の気道は、正常な気道と喘息発作時の気道との中間の状態に常に置かれているため、「気道過敏性」である。 → 治っていると勘違いするが、一時的に症状が治まっている状態にある
治療について ~病院外で喘息発作を起こしたら~
・小発作・中発作
β2刺激薬の吸入(ベネトリン、メプチン、メプチンエアーなど)
内服(ブリカニール・ベネトリン・ホクナリン・メプチン・ベロテックなど)
それと「深呼吸」 (浅い呼吸は二酸化炭素を増やすので深く)
→ 吸入しても収まらない時、内服1時間後でもおさまらないときは

へ
※ テオドールの内服は効果出現まで4時間かかり、ホクナリンテープの場合は6時間かかるので選択外。また、何回も吸入することは、β2刺激薬の副作用が多いので好ましくない 病院では1)SpO2(指先の酸素飽和度)を測定
2)β2刺激薬の吸入 ベネトリン、メプチン+α
3)ネオフィリン点滴 など
今回の改定で大きく変わったガイドライン ・吸入ステロイドが第1選択薬となり、副作用の問題からテオドールの優先順位が下がった
・オノン、キプレス(ロイコトリエン受容体拮抗薬:先頭参照)を優先的に投与することになった → 喘息発作のコントロール 1)ステロイド定時吸入 1日2~4回
2)抗アレルギー薬内服・・・オノン
(インタールの定時吸入は順位↓)
以上です。これまで定番だったテオドールの内服がかなり優先順位が下がり、3歳未満には投与しないようになったそう

今回の学びで一番収穫が大きかったことは、気道の前状態について。こうした状態があるから、喘息は治ったように見せかけてすぐに治るものではないから、長期的な内服コントロールが必要不可欠だということ


とても勉強になりました

薬を飲ませることへの抵抗感はこうして学習して解消していくものだと思いました

喘息は無治療・無症状になったときから5年以上持続すれば
治ったとするそうです

(長い年月

)
それから、もう少し様子を見れば治るかも・・・と思って、悪化すればするほど、治るのにも時間を要するので、どうぞ早めに受診してくださいとおっしゃってました。私も同感です

このほど、同じ協和企画から
「喘息予防・管理 ガイドライン2006」が発行されました。小児を含めた大人の治療をまとめたものです。クリニックに、喘息のパンフレットもありますので、どうぞご利用ください。